米エヌビディアなどの先端人工知能(AI)半導体チップについて、対中輸出阻止を目指す米上院超党派の法案が4日に提出された。AI半導体の既存の対中輸出制限を法律として成文化する。

「安全で実行可能な輸出(SAFE)法案」は、米商務省に対し、中国とロシアを含む敵対国への半導体チップ輸出許可を少なくとも30カ月停止するよう求める。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とアルファベット傘下グーグルの半導体チップを含め、これら諸国への輸出が既に承認されている製品より高性能なプロセッサーは全て規制対象になる。

上院外交委員会の共和党および民主党の主要議員が支持するSAFE法案が成立すれば、エヌビディアのAI用GPU(画像処理半導体)「H200」と「ブラックウェル」製品の中国への販売が事実上阻止される。

エヌビディアは、市場をリードする AI半導体チップの対中販売を妨げる輸出規制の緩和をトランプ政権と議会に働き掛けており、SAFE法案はそうした動きに対する新たな挑戦と言える。

米議会では、中国や他の武器禁輸国向け輸出の規制対象となっているAI半導体チップに関し、米企業に最初に使用権を与えるよう義務付ける「GAIN AI法案」を推進する動きもあったが、国防権限法への組み入れが断念された。

トランプ大統領と顧問らは、エヌビディアのGPU・H200の対中販売を許可するかどうか検討している。米政府は2022年以降、中国と人民解放軍が米国の最強の技術にアクセスすることを阻止する規制を段階的に強化してきたが、現政権の動きは著しい政策転換を意味することになる。

エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は3日、輸出管理プログラムを管轄する上院銀行委員会の共和党議員らと非公開の会合を持ったが、SAFE法案はその翌日に提出された。

フアンCEOは3日にトランプ大統領とも非公開で会談した。輸出管理について話し合ったとフアン氏は述べたが、詳細には言及しなかった。

Photographer: Graeme Sloan/Bloomberg

トランプ政権が輸出を承認しても、H200を中国側が受け入れるかどうか分からないとフアン氏は発言。「中国に販売するチップの性能を落とすことはできない。中国はそれを受け入れないだろう」と語った。

エヌビディアの広報担当者はSAFE法案に関し、「大統領のAIアクションプランが賢明にも認識している通り、あらゆる分野の非軍事企業が米国の技術スタックを選択できるようにすべきであり、それが米国の雇用と国家安全保障の促進につながる」とコメントした。

原題:Senators Seek to Block Nvidia From Selling Top AI Chips to China(抜粋)

(トランプ政権の政策転換の動きなどを追加して更新します)

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