(ブルームバーグ):トランプ政権で国境管理・移民送還を統括し、「ボーダーツァー(国境の皇帝)」の異名を持つトム・ホーマン氏は18日、連邦移民当局のチームがすでにニューヨーク市内で活動しており、追加の捜査官も派遣中だと述べた。不法移民に寛容な「聖域都市」への対応として、徹底的に人員を投入するとしている。
ホーマン氏はFOXニュースに対し、移民・税関捜査局(ICE)の捜査官がすでに現地で任務に当たっていると説明。「われわれはニューヨーク市に向かう。すでに現地にいる」と語り、トランプ政権として地方当局との協力を望む一方、単独で行動する用意もあると強調した。
これに先立つ17日には、ニューヨーク市のマムダニ次期市長がホワイトハウスに接触し、住宅費高騰や連邦政府による支援をめぐり、トランプ大統領との会談を要請していた。
この働きかけについてマムダニ氏は、ニューヨークに住み続けるのが難しくなっている市民を守るために資するのであれば、「誰とでも対話する」という姿勢の表れだと説明した。こうした発言は、反トランプ姿勢を鮮明にしてきたマムダニ氏にとって、方針転換を示唆するものとなる。
一方、ニューヨーク州のホークル知事は17日、「ICEの大量投入や州兵の派遣など、トランプ氏がどのような措置を取ろうとも、それは米経済の目標にも、またニューヨーク市に不動産を所有するトランプ氏自身のビジネス上の利益にも反する」と述べた。
同知事は市内の経済界のリーダーらと会合を開き、トランプ氏がそうした行動に出た場合の悪影響について直接伝えるよう働きかけていることも明らかにした。「ニューヨークは金融の中心地だ。この秩序を乱せば、その代償は免れない」と語った。
原題:Trump Border Czar Plans NYC ICE Surge After Mamdani Reachout (1)(抜粋)
--取材協力:Alicia A. Caldwell、Laura Nahmias、Katia Porzecanski.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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