妊婦によるアセトアミノフェン系解熱鎮痛剤の服用と、子どもの神経発達障害との間に関連性はないとする研究が、16日付の医学誌ランセットに掲載された。

研究者らは、解熱鎮痛剤の服用と自閉症、知的障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)との関連性を調べた多数の研究を体系的に検証した。その結果、タイレノールという商品名で知られるこの薬の服用と、子どもにおける自閉症などの発現との間に関連性はないと結論づけた。

論文の上級研究者で、ロンドンのセントジョージ病院の母体胎児医学教授であるアスマ・カリル氏は、結果は一貫していて、アセトアミノフェンによりリスクは高まらなかったと述べた。

トランプ政権は昨年9月、ケンビューが製造するタイレノールの服用と自閉症を関連付け、妊婦に対し、医療上必要な場合を除き服用を控えるよう呼びかけた。タイレノールは長年安全とされてきた上、ホワイトハウスが方針変更の根拠となる新たな証拠を示さなかったため、患者の間に混乱が生じた。米厚生省も同時期、アセトアミノフェンと自閉症の因果関係を示す証拠があるとする声明を出していた。

ランセットに掲載された論文は、科学文献を包括的に検証した初期の事例の一つだ。研究者らは、バイアスがなく高水準と判断された43の研究を分析した。研究者らによると、最も優れた研究は兄弟姉妹や家族を対象にしたものだったが、その数は十分ではなかった。もし十分にあれば、発達障害における遺伝の役割を示せた可能性があるとしている。

米産科婦人科学会(ACOG)によると、タイレノールは妊娠中の痛みや発熱に対して産婦人科医が推奨する薬だ。発熱の放置は、乳児の発達上の問題や流産と関連すると指摘されている。一方、イブプロフェンなど他の一般的な鎮痛剤は、胎児への血流を減少させ、発達上の問題を引き起こす可能性がある。

カリル氏は、アセトアミノフェンは「引き続き、私たちが第一選択として推奨する薬だ」と述べた。

タイレノールと自閉症を巡る議論は何年も続いている。2023年には、妊娠中にタイレノールを服用し、自閉症や知的障害を持つ子どもを出産した親がケンビューを相手取って起こした訴訟が、ニューヨークの判事によって退けられた。

原題:Tylenol Pregnancy Study Contradicts Trump Claims on Autism (1)(抜粋)

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