円安を止めることこそ最大の物価高対策
物価高対策には、物価高で困る家計を支援する政策と、物価そのものを抑制する政策の2つがあります。政府の対策としては、即効性の観点から、まず、前者の家計支援が優先されるのでしょうが、家計支援には財政出動が伴うことから、いつまでも続けられるものではありません。
総合指数で3%前後という高いインフレを、目標の2%に落ち着けるためには、インフレを一定、抑制する政策が必要なはずです。とりわけ食料品やエネルギーの価格高騰が激しいのですから、1ドル=150円などと異常な円安を是正すること、少なくとも、これ以上の円安を止めることこそ、最大の物価高対策なのではないでしょうか。
147円前後だった円相場が、高市政権発足後に155円台まで円安が進んでいることは、要注意です。高市総理が日銀の利上げをけん制するような発言を繰り返していることが、その背景にあります。金融政策への考え方は色々あるにしても、結果的に、投機筋が安心して円を売れる環境を作っていることは、物価高対策に逆行していると言わざるを得ません。