米連邦最高裁判所は10日、同性婚を合法とした判決の見直しを求めた訴えを退けた。2015年に出された同性婚を認める最高裁判決に反して婚姻証明書の発行を拒否し、36万ドル(約5500万円)の支払いを命じられたケンタッキー州の元郡書記官キム・デイビス氏による上告を却下した。

最高裁は判決に関する意見書を出さず、下級審判決を維持した。デイビス氏は15年の「オバーゲフェル対ホッジズ裁判」で同性婚を認める判決が出た後、全ての婚姻証明書の発行を拒否し、全米で注目された。

デイビス氏の上告は審理が認められる可能性が低いとみられていたが、最高裁の判事構成が保守寄りに変化したことから、結果は不透明とされていた。15年の判決で多数派にいた判事5人のうち3人はすでに退任あるいは死去しており、そのうち2人の後任はトランプ大統領が1期目に保守派判事を任命している。

最高裁は1973年に人工妊娠中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド」判決を、22年に覆し、トーマス判事は当時、同性婚判決を再検討すべきだと補足意見で述べていた。

キム・デイビス氏

デイビス氏の行為が憲法に定められた権利を侵害しているとして、同氏を訴えたデービッド・アーモルド、デービッド・ムーア両氏は、同性婚合法の判決はすでに米国に浸透しており、80万組近い同性婚カップルが米国に住んでいると主張した。

原題:Supreme Court Rejects Bid to Topple Same-Sex Marriage Rights (1)(抜粋)

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