(ブルームバーグ):米アメリカン航空グループはコーポレート部門で数百人規模の人員削減を実施すると、事情に詳しい関係者1人が明らかにした。同社が先月発表した7-9月(第3四半期)決算は赤字となった。
非公開情報だとして同関係者が匿名を条件に語ったところでは、削減対象は中間管理職やサポートスタッフで、テキサス州フォートワースの本社勤務の従業員が中心となる。人員削減は今週から実施されているという。
4日の米株式市場でアメリカン航空の株価は5.2%安で終了。年初来では27%余り下げている。S&P500種株価指数は同じ期間に15%上昇している。
アメリカン航空の広報担当者は発表文で、「現在の業務量に見合った体制にするため、管理職およびサポートスタッフを対象に小規模な削減を実施する」と説明。具体的な削減規模は明らかにしていないが、「主にフォートワース本社勤務者が対象で、組織全体のパフォーマンス最適化と業務効率向上につなげる」としている。
7-9月期の調整後1株損益は17セントの赤字となった。赤字幅は市場予想より小幅にとどまったものの、前年同期(30セントの黒字)と比べ業績は悪化した。
航空データ分析会社シリウムの集計データによると、アメリカン航空の従業員数は2024年時点で10万2674人と、デルタ航空の10万924人やユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスの9万6422人を上回っていた。
人員削減の動きは航空業界にとどまらず、米経済全体に広がっている。再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのリポートによると、今年1-9月の米国内の人員削減数は約95万人と、新型コロナウイルス禍以降で最多となっている。
原題:American Airlines to Cut Hundreds of Corporate Jobs (1)(抜粋)
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