(ブルームバーグ):経営破綻した米自動車部品メーカー、ファースト・ブランズ・グループのオーナーで、実業家のパトリック・ジェームズ氏は、破綻の経緯や資金繰り支援で実行されたトレードファイナンスの実態を調べる独立調査官の選任を支持した。
しかしその一方で、オフバランスでの資金提供やファクタリング(売掛債権の買い取り)を行っていた第三者も調査範囲に含めるべきだと主張した。
短期資金を提供するレイストーンは、ファースト・ブランズ向けの取引に関与したが、約23億ドル(約3550億円)の資金が「こつぜんと消えた」として、調査官の選任を裁判所に先月請求した。
破産手続きを監督する米連邦管財官、ファースト・ブランズ関連の特別目的事業体(SPV)に資金提供した貸し手グループも調査官選任の請求に同調した。これらの貸し手は同社の「広範な不正」を非難している。
さらにSPVとインベントリーファイナンス(在庫担保融資)の契約を結んでいたエボリューション・クレジット・パートナーズが運用するファンドは、独立管財人の選任も求めた。
ジェームズ氏の代理人の弁護士は3日遅くに裁判所へ提出した回答書で、依頼人は独立調査官の選任に反対しないが、問題視されるファースト・ブランズの取引の相手方も調査範囲に含めるべきであり、得られた情報は編集を加えず公開すべきだと主張を展開した。
さらに破産申請時に設置された特別委員会が「実行可能な再建計画策定に不可欠な貸し手およびサプライヤー」との協議に集中できるよう調査官だけで調査を実施すべきだとした。
原題:First Brands Owner Wants Examiner to Expand Probe to Funders(抜粋)
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