10月31日の欧州債券市場は、ドイツ債が小幅な値動きにとどまった。同日発表のユーロ圏のインフレ率はわずかに鈍化したものの2%を上回り、欧州中央銀行(ECB)による30日の金利据え置き判断が裏付けられたためだ。

ドイツ債のイールドカーブはスティープ化した。2年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し1.96%、30年債利回りは1bp高い3.21%で取引を終えた。

フランスとイタリアの30年債の利回り差(スプレッド)は、0bpまで縮小し、1998年以来の低水準となった。フランスの政局が不安定なため、投資家がリスクプレミアムを織り込み続けている。

英国債は短期債を中心に上昇した。スワップ市場は来週のイングランド銀行(英中央銀行)による利下げ幅の予想平均は約7bpになり、24日時点の5bpから拡大した。

欧州株は下落したが、月次では4カ月連続で上昇した。堅調な企業業績と貿易への楽観論が下支えとなった。

ストックス欧州600指数は0.5%安で取引を終えた。通信株と保険株が下落を主導した。石油・ガス関連株の指標は、一時1%下落したが、下げ幅を縮小した。石油輸出国機構(OPEC)加盟国でもあるベネズエラの軍事目標に、米国が攻撃を計画しているとの報道を受け、原油価格が上昇したためだ。

個別銘柄では、スペインの通信会社テレフォニカが配当金削減を検討していると報じられ、1.8%下落した。一方、オーストリアのエアステ・グループ銀行は、純金利収入の成長見通しと中核的自己資本(CET1)比率の目標を引き上げたことで、過去最高値を更新した。

10月31日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:Bunds Steady, Euro Area CPI Eases Slightly: End-of-Day Curves、European Stocks Slip, Trimming Fourth Consecutive Monthly Gain(抜粋)

--取材協力:Kwaku Gyasi.

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