(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)が11月第1週の会合で利下げを決定する可能性を、市場は過小評価していると、英銀バークレイズが指摘した。市場のコンセンサスは政策金利据え置きだが、それに異を唱えている。
同社ストラテジストのモイーン・イスラム氏は、短期金融市場が織り込む利下げの可能性は25%程度にとどまっているとし、「際どい判断になる可能性が高い実情と異なっている」とリポートで指摘した。
バークレイズは、英中銀が5対4で0.25ポイントの利下げを決め、政策金利を3.75%にするとみている。ゴールドマン・サックス・グループとノムラ・インターナショナルも同様に利下げを予想している。
9月の英消費者物価指数(CPI)が市場予想より低い伸びにとどまったことを受け、金利スワップ市場では利下げ観測が高まっている。政策当局が注視する食料品は値下がりした。
こうした中でベイリー英中銀総裁は、英経済が「潜在成長率を下回って」推移していることや雇用市場が軟化していることに懸念を示した。

もっともインフレ率は依然として英中銀目標の2倍ほどの水準にあり、他の市場関係者の大半は、少なくとも12月までイングランド銀は動かないとの見方を示す。11月26日には政府が予算案を発表するほか、雇用やインフレに関する指標も12月まで待てば公表分が増える。
イスラム氏はそれでも、英中銀には今回利下げに踏み切るだけの十分な理由があるとし、市場が現在織り込んでいる確率を踏まえると、利下げに賭ける価値は十分にあると指摘している。
原題:Barclays Recommends Betting on Surprise BOE Rate-Cut Next Week(抜粋)
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