違法なスポーツ賭博とギャンブルを巡る米連邦捜査局(FBI)捜査の一環で、プロバスケットボールNBAのマイアミ・ヒートに所属するテリー・ロジエ選手(31)が23日朝、オーランドのホテルで逮捕された。

この捜査ではポートランド・トレイルブレイザーズのヘッドコーチ、チャウンシー・ビラップス氏も逮捕された。

パテルFBI長官はニューヨークで記者会見を開き、「複数年におよんだ捜査の結果、詐欺や窃盗などの規模は数千万ドルに達する」と述べた。逮捕者は全米11州で30人以上に上るという。

嫌疑の一つはNBA選手およびチームに関する非公開情報を悪用した賭けで、この件で6人が訴追された。検察によれば、特定の選手が意図的に試合に出ない、あるいは予定より早く退場するなどして詐欺に加担した。また選手やコーチとの交流で得た情報を悪用したケースもあるという。

もう一つの訴追案件は、ニューヨークやラスベガス、マイアミなどで行われた高額を賭ける地下ポーカーへの関与で、カードシャッフル機に細工し、隠しカメラを仕込むなどのいかさま行為が疑われている。

ポートランド・トレイルブレイザーズのヘッドコーチ、チャウンシー・ビラップス

現役および元選手を含むポーカー参加者には勝ち負けのタイミングが指示され、八百長の疑いがある。事前に報酬を受け取った参加者もいたという。

FBIおよび連邦検察官の認識では、一連の不正はニューヨークの組織犯罪とつながっている。

トレイルブレイザーズおよびヒートの広報担当者にコメントを求めて電話や電子メールで連絡したが、現時点で返信は得られていない。NBAの広報担当者もコメントを控えているが、検察によればNBAは捜査に協力している。

NBAは1月、ロジエ選手が23年3月に行われたニューオーリンズ・ペリカンズ戦で不審な賭博行為に関与していたとの通報を受けたと明らかにした。ロジエ選手は当時、シャーロット・ホーネッツに所属していた。NBAのマイク・バース広報担当者は当時、「NBAルールの違反は確認されなかった」との内部調査結果を発表した。

マイアミ・ヒートのテリー・ロジエ選手

米連邦検察は今年、トロント・ラプターズのジョンテイ・ポーター元選手を訴追。意図的に出場時間を短くし、悪い成績に賭けた共謀者が利益を得られるよう仕組んだとされる。NBAは同氏を永久追放処分とした。

原題:FBI Arrests NBA’s Rozier, Chauncey Billups in Betting Case (1)(抜粋)

(FBI長官の記者会見内容を加えます)

--取材協力:Ira Boudway、Misyrlena Egkolfopoulou.

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