(ブルームバーグ):ロシア政府の高官らはプーチン大統領に対し、ウクライナ戦争への支出が財政的に維持できない軌道に乗っていると警告した。ウクライナ侵攻が始まって以来、最も深刻な亀裂がロシア政府内部で表面化した。
事情に詳しい関係者の発言と、ブルームバーグ・ニュースが確認した文書によると、ロシア財務省と中央銀行の当局者らは、現在計画されている国防支出の水準では政府の財政赤字が危険なほど拡大する恐れがあるとクレムリンに進言した。
関係者らによると、ここ数カ月でロシア経済と国家財政の状況に対する懸念を強めている当局者らは、国防支出の新たな削減を提案した。逼迫(ひっぱく)する財政を立て直すには、さらなる効率化が不可欠だと助言しているという。
しかし政策当局者の間では意見が割れている。プーチン氏が目指す戦争目標の達成を重視する国防省の高官やクレムリン内の一部関係者は、軍事支出の維持を主張している。軍需関連の契約に依存する企業が非常に多いため、国防費削減は経済に深刻な打撃を与えるというのが、彼らの主張だ。
関係者の一部によると、プーチン大統領は財務省当局者に対し、国防費に手を付ける前に他の分野で歳出を削減するよう求めた。懸念の内容や規模は公表されておらず、関係者はいずれも匿名を条件に話した。
ロシア政府のペスコフ報道官にコメントを求めたが、現時点で返答はない。
関係者によれば、大統領は昨年も今年も予算上の圧力を認識しており、こうした課題は予想外のものではなかった。支出削減の規模はプーチン大統領だけが下せる判断であり、主要な予算決定は同氏の承認なしには行われない。これは揺るぎない不文律だと関係者は説明した。
ロシア政府に近い関係者によれば、米アラスカで米ロ首脳会談が行われた昨年8月には、ウクライナでの戦争が終結するとの期待があった。その場合、2026年後半に国防支出を削減するとの前提は合理的なものだったという。
その期待は実現していない。ロシア政府は財政赤字にどう対処するか、決定しなければならなくなった。実際には歳出削減か、新たな歳入源の確保を選択しなくてはならない。
原題:Russia Finance Officials Tell Putin War Spending Is Unaffordable(抜粋)
(ロシア財政をめぐるこれまでの経緯と今後の見通しを最終3段落に追加します)
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