今年設立されたビットコイン採掘企業アメリカン・ビットコインがナスダックに上場し、トランプ米大統領の次男エリック・トランプ氏の持ち分が約5億4800万ドル(約810億円)相当に達した。トランプ家が仮想通貨業界から利益を得る象徴的な事例となっている。

同社は米国のニューヨーク州とテキサス州、それにカナダのアルバータ州を拠点にマイニング(採掘)を行う計画。ビットコイン採掘企業ハット8の支援を受ける。

アメリカン・ビットコインはグリフォン・デジタル・マイニングとの合併を通じ、ナスダックに上場。取引初日の3日は終値が17%高の8.04ドルとなった。

取引時間中には100%以上値上がりする場面もあった。ブルームバーグの算出によれば、エリック氏は同社株の約7.5%を保有している。

エリック・トランプ氏はテキストメッセージで「アメリカン・ビットコインを非常に誇りに思っている。われわれはこの会社に全力を注いでいる。今日は始まりに過ぎない」とコメントした。

同社の担当者は問い合わせに対してコメントしなかった。

上場の実現によってエリック氏と兄のドナルド・トランプ・ジュニア氏は暗号資産(仮想通貨)業界から利益を得る道を切り開いた。父親のトランプ氏は選挙戦を通じて仮想通貨の有力な支持者となり、大統領就任後も業界を強力に後押ししている。

 

総資産64億ドル以上のトランプ家は、多岐にわたる新たな仮想通貨プロジェクトを強化。ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、エリック氏のアメリカン・ビットコインの持ち分は、トランプ家のゴルフ場やリゾート施設を合わせた13カ所の資産を上回る価値となっている。

3日時点で同社の時価総額は約72億ドル。4-6月の売上高は3030万ドルで、純利益は340万ドルだった。

エリック・トランプ氏とハット8のアッシャー・ジェヌート最高経営責任者がアメリカン・ビットコインの事業戦略について語った

原題:Eric Trump’s Wealth Soars on $548 Million American Bitcoin Stake(抜粋)

--取材協力:Katie Greifeld.

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