米最大の送電網を運営するPJMインターコネクションが電力需要予測を引き下げ、人工知能(AI)ブームを巡る熱狂に現実的な視点を突き付けた。

中部大西洋沿岸地域から中西部の13州にまたがる東部送電網を管理するPJMは、2027年夏のピーク需要予想を約160ギガワットに下方修正した。従来見通しは約164ギガワットだった。

AIを稼働させるデータセンターによる膨大な電力消費は世界のエネルギー情勢を一変させているが、AIは利益を生むビジネスモデルとしてはいまだ十分に実証されていない。

データセンターの建設と電力供給に投じられる数千億ドルに絡む不確実性は、この分野に投機的なバブルが生じているのではないかとの懸念を招いている。長期的な潜在力を確信しているAI推進派の一部でさえ、市場の過熱を認めている。

PJMが需要予測を引き下げたのは、前回の見通しに織り込まれていたプロジェクトの一部について、データセンターを含め、電力供給および建設に関して、まだ確約を得られていないためだ。

PJMにとって、今回の見通し修正は重要だ。こうした予想は電力調達に用いられ、そのコストは電気料金を通じて消費者に転嫁される。

PJMの幹部はこれまで、データセンター群への接続要請を受ける電力会社を通じて地域の送電網事業者に積み上がってくる需要の伸び予測が、非合理的な水準まで膨らんでいると警告してきた。

それでもPJMは、今年のピーク(予想)から30年までに電力需要が17%増加すると見込んでおり、その伸びはデータセンターが主導するとしている。28年夏のピーク需要は、06年夏に記録した過去最高(約165ギガワット)を上回るとみられている。

原題:Key US Power Grid Cuts Demand Outlook on Overstated AI Boom (2)(抜粋)

--取材協力:Josh Saul、Bill Haubert.

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