サプリメントを巡って警察の捜査を受け、サントリーホールディングスの会長を辞任した新浪剛史氏は3日、経済同友会代表幹事としての会見を開いた、一連の経緯を自ら説明し、同友会の活動を当面休止することを明らかにした上で「法を犯しておらず潔白」だとも強調した。

新浪氏は会見で、活動休止の理由として同友会の透明性の高いガバナンスに従うべきと考えたと述べた。代表幹事職は岩井睦雄筆頭副代表幹事(JT会長)が代理を務めるという。経済財政諮問会議の民間議員といった役職については政府の判断に委ねるとした。

林芳正官房長官は同日午後の会見で、現時点では本人からの申し出があったとは承知をしていないと述べた。経済や財政に関する政策に関して優れた識見を持つ観点から任命しているとした上で「適時適切に対応」していくとした。

会見する新浪氏(3日、都内)

大麻由来の成分を使ったCBD(カンナビジオール)サプリに関し、新浪氏は米国で市販され、適法と認識して購入した製品についてニューヨークの知人から日本に運ぶと打診されて依頼したと説明。

知人が国内から新浪氏の自宅に送ったが、受け取ってはいないと述べた。新浪氏の家庭では送り主不明の郵便物は廃棄するルールがあり、家族が中身を確認せず捨てたと推測しているという。

8月に入って、この知人が再び福岡県にいる知人の弟経由で新浪氏の自宅に郵送を試みたところ、その弟が逮捕されたと明らかにした。警察の捜査はこの件に関連したものだったという。

8月の件に関して新浪氏は何も知らされておらず、郵送されようとしていたのがこのサプリだったかも不明だとしている。いずれのケースでも同氏はサプリを日本国内で所持も使用もしておらず、潔白だが不注意だったと述べて謝罪した。

CBDサプリに関心を持った背景として海外出張が多く、時差ぼけの問題を抱えている中で知人から勧められたと述べた。国内でなく米国で購入する理由としては米国の方が圧倒的に安いためだとした。

新浪氏は1日付けで、警察の捜査を受けたことを理由にサントリーHD会長を辞任した。「大好きなサントリーに絶対迷惑をかけてはいけない」と思ったとして辞任を決めたという。同氏は2023年から経団連などと並ぶ経済三団体の一つである同友会の代表幹事を務めていた。

(官房長官コメントなどを追加して更新します)

--取材協力:照喜納明美.

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