(ブルームバーグ):米ホワイトハウスが2日に発表したリストによると、ウエーター、美容師、ゴルフのキャディー、イベントのDJやダンサーなど数十の職種の従事者が受け取るチップが非課税となる見通しだ。
今年成立したトランプ大統領提唱の税制改革法で、共和党による減税・歳出削減策の一環として、チップ収入を得る労働者に対する優遇措置が盛り込まれた。今回X(旧ツイッター)に投稿されたこのリストは、連邦税制を策定・運用する財務省と内国歳入庁(IRS)によって正式に認可される必要があるとみられる。

非課税の対象となる職種は、飲食、接客、交通・配送、美容、観光、レクリエーション、ギャンブルなど多岐にわたり、納税申告シーズンを前に混乱の要因となっていた問題に対応する内容となっている。
また「デジタルコンテンツ制作者」「住宅の保守・修繕作業員」「自己啓発講師」など、チップの習慣があまり見られない曖昧な職種も含まれており、賃金ではなくチップとして収入を分類することで納税額を減らす抜け道になる可能性も指摘されている。
「チップへの課税廃止」は今年の共和党による税制交渉の中でトランプ氏が重視したもので、同氏の選挙キャンペーンでも経済面での中心的なメッセージとなっていた。トランプ氏はラスベガスのウエートレスから着想を得たとされ、共和党はこの法案を「大きく美しい一つの法案」と称し、中低所得層に恩恵をもたらすものとしてアピールしている。一方で、この法案は栄養支援やメディケイド(低所得者向け公的医療保険)などの社会保障費を大幅に削減することで財源を賄っている。
原題:Golf Caddies, Influencers to Be Exempted from Taxes on Tips (1)(抜粋)
--取材協力:Mica Soellner.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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