中国の電子商取引(EC)大手アリババグループの株価が1日の香港市場で一時19%高と急騰した。人工知能(AI)関連の収入が大きく伸びたことが好感された。DeepSeek(ディープシーク)以後の中国におけるAI開発ブームの中で、アリババが着実に前進している印象を市場に与えた。

8月29日に発表した4-6月(第1四半期)決算では、人工知能(AI)関連製品の売り上げが3桁台の伸びを記録し、AIブームの恩恵を受けるクラウド部門の売り上げも予想を上回る26%増となった。

AI関連の好調は、フードデリバリー分野で激化する美団およびJDドットコム(京東)との競争による影響への懸念を和らげた。全社の売上高は2%増にとどまり、営業利益も予想外に減少したが、市場はそれを乗り越えた形となった。

アリババ株の上昇率は日中ベースで2022年11月以来最大。他のAI関連企業にも波及し、百度(バイドゥ)とテンセント・ホールディングス(騰訊)も上昇した。

サクソ・マーケッツのチーフ投資ストラテジスト、チャル・チャナナ氏は、「アリババの決算は、中国テック業界における二極化を浮き彫りにしている。AI分野では持続的かつ大規模な成長が見られる一方で、従来型の消費者向け分野は破壊的な価格競争に苦しんでいる」と述べた。

さらに「AI関連収益の3桁成長と堅調なクラウド売り上げは、アリババが単なる小売り支配にとどまらず、テクノロジー基盤の中で長期的な存在感を再構築しようとしていることを示している」と語った。

アリババ

原題:Alibaba Shares Soar Most Since 2022 After Making Headway in AI(抜粋)

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