29日の欧州債券市場は、長期債が売られたことでイールドカーブがスティープ化した。米国債市場の動きに連動した。市場では、インフレと財政リスクが焦点となった。

ドイツ30年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.33%と、直近のピーク3.36%に接近した。

フランス10年債とドイツ10年債の利回り差(スプレッド)は、1bp拡大したが、80bp未満にとどまった。バイル仏首相が信任投票を表明したことで、新たな政治リスクが浮上し、スプレッドは今週前半に急拡大していた。

欧州株は下落した。英国で銀行の超過利得に課税すべきだとの声が再燃したことや、ドイツと米国で物価上昇圧力が根強いことを示すデータが重しとなった。

ストックス欧州600指数は、0.6%安で取引を終えた。米国市場の売りに追随し、テクノロジー株が最も下げが大きかった。ナットウェスト、ロイズ・バンキング・グループ、HSBC、バークレイズなど英国の銀行株は下落した。

経済データにも注目が集まった。ドイツのインフレ率が予想以上に加速し、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する米個人消費支出(PCE)統計も前月比で0.3%上昇した。

ラインメタルやヘンソルトといった防衛関連株は上昇した。メルツ独首相が、ロシアとウクライナの大統領による会談の実現可能性が低いと述べたためだ。

8月29日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:Long-End Weakens, French-German Spread Steady: End-of-Day Curves、European Stocks Trim Monthly Gain as Banks, Inflation Data Weigh(抜粋)

--取材協力:Sagarika Jaisinghani.

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