J-REIT市場(東証REIT指数)の見通し

7月のJ-REITは、国内長期金利が上昇基調で推移したものの、日米の関税合意などのニュースから投資家のリスクオンムードが高まり、堅調に推移しました。

8月のJ-REITは、日銀の利上げへの慎重姿勢、堅調な不動産市況や4年ぶりの公募J-REITの上場などを材料に堅調に推移するものと思われます。

7月の国内長期金利は、参議院選の公約で各党が財政拡張的な政策を掲げたことによる財政悪化懸念や、日米関税交渉の合意によって今後の不透明感が払しょくされ日銀の早期の利上げ観測が高まったことなどを背景に、上昇基調で推移しました。

これまで国内長期金利が上昇するとJ-REITは金利上昇を嫌気し、軟調な展開となる傾向がありました。

足元のJ-REITは、国内長期金利が上昇しても堅調に推移する展開が続いています。日銀が利上げを検討する従来の方針を維持しているものの、慎重な姿勢を崩していないことが市場に安心感を与えていることや、オフィス賃料の増加など堅調な不動産市況が継続していること、国内株と比較した出遅れ感などが、改めて市場で評価されていることが背景にあると思われます。

8月13日に上場を予定している「霞ヶ関ホテルリート投資法人」は、投資先をホテルに特化しています。当初の資産規模は492億円となる見通しであり、国内の15のホテルが組み入れられます。

韓国からの新規就航や中国からの航空増便などにより、6月の訪日客数は6月として過去最多を記録するなど、ホテル業界では旺盛なインバウンド(訪日外国人)需要から需給が逼迫状態にあり、ホテルセクターの成長が期待されます。

JREITの新規上場は2021年6月に上場した「東海道リート投資法人」以来4年ぶりとなります。足元堅調なJREITに加えて、4年ぶりの新規上場が市場全体の活性化につながることが期待され、J-REITは堅調に推移することが想定されます。