計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)
従来は明確なキャリアの目標設定とその達成計画が重視されてきましたが、実際は自身のキャリアが綿密な計画のみによって形成されることはほぼありません。
キャリア計画やゴールを作成・設定することは良いことですが、そこに正確さや正解を求めてしまうと、却って自身のキャリアに制約や壁を作りかねません。
そのようななかで注目されている理論が「計画的偶発性理論」です。
簡単にいうと、個人のキャリアの8割は予想しない偶発的な出来事によって決定されるため、その出来事の影響を軽視せず、積極的に取組みキャリア形成に活かすべきという考え方です。
偶然の出来事をキャリアの好機につなげるためには、「好奇心」「楽観性」等の5つのスキルが重要とされています。
予期せぬ偶然の出来事が自身の望ましいキャリアビジョンにつながったとき、その偶然はあたかも自分と出会うために計画されていたもののように思える、ということから「計画的偶発性」といわれています。
キャリア人生は、ある意味ガチャの連続です。一見マイナスと思える「予期せぬ出来事」も起こりえるでしょう。
それを自身のキャリアの好機にすることで「後で『よかった』と思えるキャリア人生」を歩むことができるのではないでしょうか。
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(※情報提供、記事執筆:第一生命経済研究所 総合調査部 副主任研究員 髙宮 咲妃)