そもそも感情知能指数(EQ)とは?
感情知能とは、1990年にアメリカの心理学者、サロベイ博士とメイヤー博士が提唱した考え方で、「感情をうまく管理し、利用できる能力」のことです。
当初はEI(Emotional Intelligence)の名称で発表されましたが、各メディアが「知能指数:IQ(Intelligence Quotient)」と対比して「感情知能指数:EQ(Emotional Intelligence Quotient)」と紹介したことで広く周知されることとなりました。
両博士は、EQを4要素に定義し、これらの能力を開発することにより、適切な感情表現および良い人間関係を築くことが可能であるとしています。
IQは遺伝的性質を持つのに対して、EQは遺伝的な要素が少なく、訓練や学習によって後天的に高めることができる能力として知られています。

EQは高業績リーダーをつくる!?
従来は高いIQを持つ人がビジネスで成功すると考えられてきましたが、先述の両博士の研究により、EQが高い人、つまり対人能力が高い人がIQの高い人より成功していることがわかりました。
アメリカの心理学者ゴールマンも、経営幹部のどのような個人的能力が、どの程度企業の業績に貢献をしたのか、グローバル企業188社を調査しています。
個人的能力を①技術的熟練度(会計やビジネスプランニング等)②知的能力(≒IQ:分析的推論等)③感情知能(EQ)の3つに分類し分析したところ、企業での階層に関わらずEQが他の能力の2倍の影響を企業の業績に及ぼしていたことがわかりました。
企業の業績とリーダーのEQが連動していることは、他の様々な研究でも明らかにされており、2020年に行われた世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)のレポートでは、「2025年に必要なスキルトップ15」にEQがランクインしている等、ビジネススキルとして大きく注目されている能力です。