クラシックカーや超高級車が好きな欧州の資産家は、自動車コレクションを担保に米銀最大手JPモルガン・チェースから融資を受けられるようになる。

JPモルガンのプライベートバンク部門は英イングランドやイタリア、ドイツなどの欧州地域に保管されているクラシックカーや希少車、カスタムカーを担保とする融資オプションを富裕層顧客に提供する。このサービスはすでに米国の顧客に提供されており、今後はフランスとスイス、スペインにも拡大される予定だと、同行は15日に文書で発表した。

この背景には、富裕層が自動車コレクションやその他の実物資産を資産分散の手段に活用している流れがある。クラシックカーはフェラーリやポルシェ、メルセデス・ベンツといった欧州ブランドを中心に、近年の株式市場を上回るパフォーマンスを記録しており、ラグジュアリー資産全体が低迷する中でも2024年には成長を維持した。

英不動産コンサルティング会社ナイト・フランクが発表した2025年版ウェルスリポートによれば、不動産を除くと、世界の若年富裕層が最も手に入れたいと考える資産は高級自動車であり、プライベートジェットやワイン、アートコレクション、スーパーヨットを上回る人気となっている。

ラグジュアリーカーを資産戦略に活用する若手資産家の一人、マーク・マテシッツ氏(33)はエネルギードリンク「レッドブル」創業者の息子だ。同氏は今年、英国の資産家バーニー・エクレストン氏の自動車コレクションを購入した。高級ブランド「グッチ」を展開するケリングのオーナー一族、フランソワ(父)とフランソワ・アンリ(息子)のピノー親子や、テック業界の富豪グザヴィエ・ニール氏らも、伝説的な仏高級車ブランド「ドゥラージュ・オートモビル」の復活プロジェクトを支援している。ドゥラージュが生産するハイパーカーは、最低価格が200万ユーロ(3億6400万円)に設定されている。

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「自動車収集には情熱と投資両面の動機があると当行は理解している」と、JPモルガンのグローバルプライベートバンク部門でスペシャルティーレンディングを統括するスティーブン・ホーキンス氏は発表文書で述べた。

原題:JPMorgan Lets Rich European Clients Borrow Against Luxury Cars(抜粋)

--取材協力:Tara Patel.

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