雇用統計の“月次発表停止”には「全く賛成しない」
Q:次にBLS(労働統計局)について話したいのですが、今回の人選には賛否両論があります。EJアントニー氏が大統領に指名される前にこのように述べていました。雇用統計の問題が修正されるまで「BLSは毎月の雇用報告書の発表を停止し正確だが発表が遅い四半期データを発表し続けるべきだ」と。これについてどう思いますか?この意見に賛成ですか?
ベッセント財務長官:全く賛成しません。一市民が言うことと公職にある者が言うことは全く違います。私が公職に着く前「影のFRB議長」を求めましたが、公職についてからは それは必要ないと思っています。EJ氏が面接を受けたとき、私はその場にいました。彼は信じられないほど有能です。ここで最も重要なことは数字の整合性を取り戻すことです。政府の他の多くの組織と同様 いい加減な仕事がまかり通るようになっていたからです。
EJ氏は的確で経済学の博士号を持っています。トランプ大統領はこの件に時間をかけ、EJ氏に徹底的な質問をしました。私たちには正確なデータが必要です。正確なデータがなければ 良い決断はできません先ほど述べたように6月と7月のデータがもっと正確であったならFRBの判断は異なっていた可能性が高いです。
Q:では 今あるデータとプロセスについてその改善策について話しましょう。大きな修正が必要ないようにどのように改善すればいいと思いますか?
ベッセント財務長官:私は政府に7カ月間いますが、私が現在担当しているIRS(国税庁)を例に挙げますとIRSは1990年からテクノロジーのアップグレードに取り組んでいます。私たちは若い人材を投入してこれを修正させましたが、アップグレードが始まった時彼はまだ生まれていなかったのです。政府がこのような低いレベルで満足してしまう体質は問題だと考えます。なぜ より現代的な21世紀の仕組みへと移行しないのでしょうか?なぜデジタル時代に移行しないのですか?
政治的な偏見があるかどうかは分かりませんが、私が言えることは 雇用統計のサンプルサイズがどんどん小さくなっていったということです。空欄のセルは労働統計局が埋めていました。データよりも人の判断が優先されると物事は定量的ではなく定性的になります。EJは定量的な基準を取り戻す素晴らしい仕事をするでしょう。メディアによる批判はすべて間違っていると思います。
Q:批判しているのはメディアだけでなく 保守派の経済学者の間でもEJ氏の委員会の運営能力を疑問視する声がありますが、トランプ政権は労働統計局にもっと予算をつけたり採用凍結を解除したりする考えはありますか?
ベッセント財務長官:それは典型的な民主党の考え方です。より多くのお金を投入することで解決しようとします。ニューヨーク・シカゴ・DCの学校を見ればわかります。お金を増やしてもひどい結果です。EJ氏はプロセスを見直し テクノロジーを使ってより良い方法はないかと考えるでしょう。
財務省に来て驚いたのことがあります。財務省は年間15億件の支払いを処理していますが、そのうち5億件、つまり3分の1にはTASと呼ばれる財務会計記号がなく、職員は送信ボタンを押していただけでした。彼らに本来の仕事をさせるのは難しくありませんでした。
