トランプ米大統領は5日、日米関税交渉で合意に至った実績を強調した。「日本は完全に市場を開いた」とも話し、米国からの輸出拡大に期待を示した。

CNBCとのインタビューでトランプ氏は、日本は「米国産のコメも受け入れる。かつて誰もが不可能だと考えていたことだ」と述べたほか、「一段と重要なのは、とても美しいフォードの『Fー150』といった米国車を日本が受け入れることだ」と語った。

NY自動車ショーで披露されたフォードのピックアップトラック「Fー150」(2025年モデル、4月16日) 

Fー150は米国のフルサイズのピックアップトラックを代表する車種。フォードのウェブサイトによると2025年モデルの車幅は約2メートル、全長は最大5.8メートルと日本国内では多くの乗用車用の駐車場には停めにくいサイズのほか、都内の住宅街のような道幅が狭い道路での運転は困難になる。

トランプ氏は7月下旬、日本からの輸入品に一律で課す関税率を15%とすることで合意したと明らかにしたほか、日本が5500億ドル(約81兆円)の対米投資をするとも説明した。日米両国はまた、自動車関税を25%から15%に引き下げるとしたが、文書化はされていない。

CNBCとのインタビューでトランプ氏は日本からの対米投資について、野球選手が契約時に得るボーナスのようなもので、米国が自由に使える資金との認識を示した。「日本から5500億ドルの契約金を得た。これは我々の資金であり、好きなように投資できる資金だ」と語った。

トランプ氏の発言について赤沢亮正経済再生担当相は、「日本のメリットにならないことは協力できない」と前置きした上で、「米国内にどういうサプライチェーンを作り上げるかについて、大統領の思いが当然ながら非常に強く反映されるものになる」と語った。5日、米ワシントンの空港で記者団に語った。

赤沢氏は一律関税に関する日米間の認識のすりあわせや、自動車関税引き下げの実施要求のため、5日から9日の日程で訪米している。 自動車関税に関しては、米英合意の実現に54日間要したことを例に挙げ、一定の時間がかかるとの認識を示した。

(赤沢再生相の発言を追加しました)

--取材協力:照喜納明美.

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