(ブルームバーグ):対話型人工知能(AI)「ChatGPT」を展開している米オープンAIは従業員や元社員が保有している同社株の売り出しを行うため、自社の評価額を約5000億ドル(約74兆円)とする方向で協議を始めた。事情に詳しい関係者が明らかにした。実際にこの評価額での株式売却となれば、同社の企業価値が大きく上昇することになる。
株式売却の規模は数十億ドルに上る可能性があり、株主のスライブ・キャピタルを含む投資家が、従業員の保有株を取得したいとオープンAIに打診しているという。協議内容を公にする権限がないとして関係者が匿名を条件に語った。
オープンAIの評価額は、ソフトバンクグループが主導した400億ドルの資金調達ラウンド時に3000億ドルとされていた。
オープンAIは最近、新たなオープン型プラットフォームの公開を含む一連の技術発表を行っており、最新モデル「GPT-5」のリリース準備も進めている。同社はコメントを控えた。スライブの担当者はコメント要請に応じなかった。
オープンAIによると、ChatGPTの週間アクティブユーザー数は今週中に7億人に達する見通し。3月末時点の5億人から大幅に増加する。アプリ上でやり取りされるユーザーメッセージ数も1日当たり30億件を突破した。
同社は5月、アップル出身のデザイナー、ジョナサン・アイブ氏が共同設立したAIデバイスのスタートアップを約65億ドルで買収する計画を発表し、ハードウエア分野にも踏み出した。一方、さまざまな課題にも直面。営利企業としての将来的な在り方について議論しているが、話し合いは数カ月進展していない。
原題:OpenAI in Talks for Share Sale at $500 Billion Valuation (1)(抜粋)
(5段落目以降を追加して更新します)
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