(ブルームバーグ):米サーバーメーカー、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の株価が5日の時間外取引で下落した。通期売上高見通しの下方修正などが響いた。強力な人工知能(AI)サーバーの販売や価格競争を巡って疑念が生じた。
同社は5日の発表文で、2026年6月期の売上高が少なくとも330億ドル(約4兆8700億円)になるとの見通しを示した。2月時点には、エヌビディア製半導体を搭載したAI製品に対する需要を理由に強気の長期見通しを示し、通期売上高を400億ドルと予想。これは当時のアナリスト予想の約2倍の数字だった。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、ウー・ジン・ホ氏は7-9月(第1四半期)の利益予想について、営業利益率が5%になることを示唆しており、アナリスト平均予想の7%を下回っている点に言及した。
スーパー・マイクロの株価は年初来で88%上昇。AI機器の需要急増で恩恵を受けると楽観論が高まっていた。しかし、今回の通期見通し修正は、最新のエヌビディア製半導体を搭載したAI機器の需要を同社がどこまで取り込めるのか疑念を生じさせている。
BIのホ氏は、「スーパー・マイクロの第1四半期および26年通期の見通しは、市場の期待水準を引き下げるものだ」と指摘。「今回の見通しは、メガサーバー契約において特に米デル・テクノロジーズと非常に激しい価格競争が起きていることを示唆している」と述べた。
5日のニューヨーク市場でスーパー・マイクロ株は57.26ドルで通常取引を終えた後、時間外取引では16%近く下落した。
同社の発表では、25年4-6月(第4四半期)の売上高は前年同期比7.5%増の57億6000万ドルだった。一部項目を除いた1株当たり利益は41セント。アナリスト予想の平均は売上高が60億1000万ドル、1株利益が44セントだった。
チャールズ・リャン最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、一部の顧客が最新のエヌビディア製半導体を搭載した新製品の登場を待ち続けているため、現行製品への需要が抑制されていると指摘。「状況を見守る必要がある」と述べた上で、過去2四半期と比べて今後は高性能なAI半導体の供給が増加するとの見通しを示した。
同社は7-9月期売上高を60億-70億ドル、一部項目を除く1株利益は40-52セントと見込んでいる。アナリスト予想の平均は売上高が65億9000万ドル、1株利益が59セント。
原題:Super Micro Falls After Cutting Annual Sales Forecast (1)(抜粋)
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