(ブルームバーグ):米家電メーカーのワールプールは28日、2025年通期の利益見通しを引き下げた。米国による関税引き上げを回避しようとする外国の競合各社が4-6月(第2四半期)に対米輸出を急いだほか、自社の家電の大半を米国で生産することで見込まれるプラス効果がまだ顕在化していないためだと説明している。
ジム・ピーターズ最高財務責任者(CFO)はブルームバーグのインタビューで、競合するアジア系家電メーカーの販促強化も響き、この期間に自社の「市場シェアがわずかに低下した」と述べた。
発表資料によると、通期の希薄化後1株利益見通しは6-8ドルと、従来予想の10ドルから引き下げられた。アナリストは8.78ドルと見込んでいた。
28日の米株式市場時間外取引でワールプール株は一時約13%下落した。
ワールプールによれば、住宅市場の軟化も4-6月期業績の重しとなった。住宅ローン金利の高止まりが建設活動の鈍化につながったという。
同期の純売上高は前年同期比5.4%減少。北米での大型家電製品の売上高は4.7%減った。
ピーターズ氏は、短期的には厳しい状況が続くものの、トランプ政権が導入した輸入関税が最終的には自社に恩恵をもたらすとの見通しを示した。現時点で、同社の大型家電の約80%が米国内で製造されている。
さらに、年後半には家電輸入が大きく減速し、10-12月(第4四半期)から来年にかけての販売回復を後押しすると予想。通期の売上高見通しを158億ドル(約2兆3500億円)前後と、コンセンサス予想の156億ドルを上回る水準に維持した。
「関税がわれわれにとって有利に働くとなお確信している。関税が完全に実施されれば恩恵が得られる。だが、今はタイミングの問題だ」と同氏は語った。
原題:Whirlpool Cuts 2025 Outlook as It Awaits Tariff Boost (1)(抜粋)
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