(ブルームバーグ):米不動産テック企業のコンパスは、不動産仲介業のエニウェア・リアル・エステートの買収で同社と合意した。企業価値およそ100億ドル(約1兆4800億円)と評価される米国最大の住宅仲介業者が誕生する。
22日の発表資料によれば、エニウェア株は1株につきコンパスのクラスA普通株1.436株と交換され、エニウェア株を1株は約13.01ドルと評価する合併条件となっている。エニウェア株は19日の米株式市場を7.07ドルで引けていた。
合併完了後、コンパスの既存株主は新会社の株式約78%を、エニウェア投資家は約22%を保有することになる。コンパスはこの取引の一環として、モルガン・スタンレーから7億5000万ドルの融資コミットメントを確保していた。
すでに米国最大の住宅仲介業者であるコンパスは、この買収によって売上高トップの立場を強化。2位の倍を超える規模に拡大する。コールドウェル・バンカーやコーコラン、サザビーズ・インターナショナル・リアルティなどのブランドを抱えるエニウェアは、リアルトレンズの調べによれば2024年に1840億ドル近くの売上高があった。一方のコンパスの売上高はおよそ2310億ドルだった。
22日の米株式市場でコンパスは一時9%余り下落。一方のエニウェアは一時70%余り値上がりし、12.03ドルを付けた。
借入金利の上昇が多くの買い手を遠ざけ、持ち主が売却を控える中で、近年の米不動産仲介業は低迷する市場に苦慮してきた。昨年の中古住宅販売は、1995年以来の水準に落ち込んだ。
このように厳しい市場環境の下、業界では合併や買収を追求する動きが加速している。今年は住宅ローン会社のロケットが不動産情報サイトのレッドフィンを17億5000万ドルで買収することで同社と合意。ロケットは金融サービスのミスター・クーパー・グループを94億ドルで買収することでも合意している。
原題:Compass to Buy Anywhere, Forming $10 Billion Property Broker (2)(抜粋)
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