ゴールドマン・サックス・グループが8年間の休止期間を経て、上場投資信託(ETF)のリードマーケットメーク業務に復帰した。高速取引会社が現在支配するこの市場でプレゼンスを再構築する。

ゴールドマンはキャピタル・グループが6月下旬にローンチした「CG US ラージ・グロースETF(CGGG)」(運用資産3400万ドル=約50億2000万円)で、リードマーケットメーカーを引き受けている。

2017年に米国でのETFリードマーケットメーク業務からおおむね撤退した後、ゴールドマンの復帰に向けた公の動きは今回が初めて。事情に詳しい関係者が匿名で語ったところによると、顧客の需要拡大に応じて復帰を決めた。同社はコメントを控えた。

リードマーケットメーカーはETFの仕組みを支える重要な役割を担う。買値と売値を提示し、場合によっては新規ファンドの立ち上げを支援する。

ゴールドマン・サックス本社(ニューヨーク 7月11日)

リードマーケットメーカーになることは流動性供給へのコミットメントを意味し、通常、資本とトレーディングの支援を行うことになる。

ゴールドマンは17年、金融危機後に規制が強化されたことを受けてこの業務を停止。他にも同様の動きを示した銀行があった。

この空白をすぐに埋めたのがジェーン・ストリートやサスケハナ、シタデル・セキュリティーズなどの高速取引会社だった。ETFのセカンダリー市場(流通市場)は現在、これらの企業が支えている。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、アタナシオス・プサロファギス氏は「ジェーン・ストリートやシタデルといった企業の収入を見れば、この分野がいかにもうかるかは明らかだ」と指摘。

「ETFのエコシステムで収益性がより高いのは通常、商品そのものではなく、マーケットメーキングやサービス、オペレーションなど周辺のインフラ。競争の激しい部分であることは疑いないが、自分が大手銀行の立場であれば、より多くの資源をそこに投じるだろう」と述べた。

原題:Goldman Returns as ETF Lead Market Maker After Eight-Year Exit(抜粋)

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