企業の決算発表シーズンが始まり、米国企業は堅調な業績を報告している。健全な収益力は、記録的な高値にある米国株の過熱感に対する懸念を和らげる可能性がある。

S&P500種株価指数に採用されている企業の約3分の1が24日の取引終了までに決算を発表した。これまでのところ、予想を大きく上回る好調な結果が続いている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)がまとめたデータによると、決算を発表した企業のうち、約83%がアナリストの利益予想を上回っており、これは2021年4-6月(第2四半期)以来の高い比率となっている。

S&P500種は4月8日の安値から28%上昇し、ここ数週間で相次ぎ過去最高値を更新している。こうした上昇の背景には、関税の影響に対する懸念が和らぎ、投資家が極端なリスク回避姿勢を緩めて株式市場に戻り始めたことがある。

ネーションワイドのチーフ・マーケット・ストラテジスト、マーク・ハケット氏は、この上昇を維持するためには、企業利益が引き続き投資家の期待を上回る必要があると述べ、今シーズンはその方向性を示していると指摘した

ハケット氏は「悲観的なシナリオが後退する中、経営陣のコメントは以前ほど保守的ではなくなっており、2025年と26年の業績見通しも徐々に上方修正され始めている。これが追い風となっている」と語った。

アルファベットでは、人工知能(AI)関連製品への需要が四半期売上高を押し上げた。住宅建設会社のD.R.ホートンとパルトグループは、いずれも市場予想を上回る利益を発表し、株価の支援材料となった。

それでも米国株の前途が完全に明るいわけでもない。株式のバリュエーションは高水準にあり、今後12カ月の予想に基づくS&P500種の株価収益率(PER)は22倍と、これは過去10年の平均である18.6倍を大きく上回っており、失望を許す余地がほとんどない。実際、利益と売上高いずれも予想を下回った企業の株価は下落している。

 

原題:S&P 500’s Humming Profit Engine Can Keep Powering Stocks Rally

(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.