ドイツのスポーツ用品大手プーマは、スポーツウエアやアスレジャー商品の需要低迷と、米国の関税の影響を背景に、通期業績見通しを下方修正した。新しい最高経営責任者(CEO)の下、予想を引き下げた。

24日遅くの発表資料によれば、2025年通期の調整後利払い・税引き前利益(EBIT)が赤字となる見通しを示した。従来は5億2000万-6億ユーロ(900億-1038億円)の黒字を予想していた。アナリスト予想平均の4億8900万ユーロの黒字も大きく下回る。

発表を受け、プーマ株は25日のフランクフルト市場で一時19%安と、3月以来の下落率となった。

プーマは北米、欧州、グレーターチャイナ(大中華圏)での販売が減速しており、この傾向は年内も続く見通しで、在庫水準が高止まりしていると説明した。4-6月(第2四半期)暫定決算では、売上高と利益がいずれも市場予想を下回った。

同社は25年通期の減収率について、為替調整後で低めの2桁台となる見通しを示した。従来は1桁台前半から半ばの増収率を見込んでいた。

米国による新たな関税措置は、今年の粗利益に約8000万ユーロの悪影響を及ぼす見通しだとした。

7月1日付で最高経営責任者(CEO)に就任したアーサー・ホールド氏は、ここ数年で消費者との結びつきに苦戦しているプーマのブランド再構築に取り組んでいる。前任のアルネ・フロイント氏は、相次ぐ利益警告や、監査役会との戦略を巡る対立を背景に退任していた。

ジェフリーズのジェームズ・グルジニック氏はリポートで、プーマの卸売事業は第2四半期に6%縮小しており、好調な消費者向け直販事業でも補いきれない打撃だと指摘。新たな見通しは、年後半の売上高が約20%減少することを示唆していると説明した。

プーマは近年、時代の流行を捉えるヒット商品を打ち出せていない。一方で、同じドイツに本社を構える競合のアディダスは、復刻版のスニーカーを中心に高い評価を得ている。ホールド氏はアディダス出身で、同社ではレトロスニーカーの「サンバ」や「ガゼル」など、トレンドを捉えた商品展開を手がけてきた。

原題:Puma Plunges As New CEO Cuts Outlook on Weak Demand, Tariffs (1)(抜粋)

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