(ブルームバーグ):フランスの高級ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの4-6月(第2四半期)決算は、減収だった。高価なルイヴィトンのバッグやディオールのジャケットなどに消費者の財布のひもは固く、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)明けの低迷から同社が抜け出せていないことを示した。
LVMHが24日発表した、同社最大の部門であるファッション・レザーグッズ部門の4-6月売上高(既存事業ベース)は前年同期比9%減少した。アナリスト予想の7.8%減にも及ばなかった。
LVMHは過去数十年にわたって成長をけん引してきた中国をはじめ、重要市場での需要の後退に苦しんでいる。同社は4月に、フランスで時価総額が最も大きい企業の座をかつて買収しようとしたエルメス・インターナショナルに譲った。
高級カシミヤ衣類のイタリアブランド、ブルネロクチネリは今月、増収を発表していたため、LVMHの決算はより規模の小さい競合にも見劣りする。
LVMHの中でルイヴィトンに次いで2番目に大きいブランド、クリスチャン・ディオールは最近、ジョナサン・アンダーソン氏をアーティスティックディレクターに迎えて巻き返しを図っている。アンダーソン氏は今秋、ウィメンズ・コレクションを発表する。
LVMHの株価は過去1年で約30%下落し、時価総額がおよそ1000億ユーロ(約17兆3000億円)減少した。
日本は28%減収
地域別では、米国の4-6月売上高は横ばいで、減収だった前期から改善。セシル・カバニス最高財務責任者(CFO)が電話記者会見で語ったところによると、シャンパンの売り上げが伸びたほか、ファッション・レザーグッズ部門が回復した。
一方、日本は28%の減収。前年同期は円安の恩恵を享受しようと訪日した中国人旅行者による購入が伸び、57%の大幅増収だった。中国を含む地域、欧州もそれぞれ減収だった。
欧州連合(EU)と米国の貿易協議についてカバニス氏は、15%の関税なら「良い結果だろう」との見方を示し、一部のワインやヘネシーのコニャックなど蒸留酒を別にして、15%であれば価格面の強みを維持できるからだと説明した。
原題:LVMH Sales Fall Again After Demand Slumps in Japan, China(抜粋)
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