米航空大手ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスは16日、通期の利益見通しを新たに示した。ここ数カ月にわたり運航面の混乱や貿易摩擦、中東での紛争といった事業環境の厳しさが続いていたが、旅行需要が回復する中で見方をやや改善させた。

発表資料によると、通期の調整後1株利益見通しは9-11ドル。16日時点で、アナリストの予想平均は9.92ドルだった。同日発表された4-6月(第2四半期)の利益は、アナリスト予想を上回った。

7月に入り、ビジネス需要が4-6月期との比較で加速しているとユナイテッドは説明。競合するデルタ航空も先週、いったん撤回していた通期の利益予想を改めて示した。

デルタはトランプ米大統領の減税・歳出法案が成立したほか、関税交渉の進展で経済の先行き不透明感が和らいだことで、米国の旅行需要が回復しつつあると指摘していた。

ユナイテッド航空の新たな通期利益見通しについて、専門家がコメント

ユナイテッドのスコット・カービー最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「世界を巡る不確実性は2025年上期に比べて後退しており、年末に向けて力強い業績への自信につながっている」と説明した。

同社は4月、トランプ氏の世界貿易再編に向けた取り組みがリセッション(景気後退)を招いた場合と、需要がより高い水準で安定した場合の2つのシナリオを想定。通期1株利益は最大13.50ドルとなる可能性がある一方、最低で7ドルに落ち込むこともあり得るとしていた。

ユナイテッド株は16日の通常取引終了後の時間外取引で、一時1.7%安。年初来では9%近く下げている。S&P500種株価指数が約6%上昇しているのとは対照的だ。

また、同社は7-9月(第3四半期)の調整後1株利益を2.25-2.75ドルと予想。アナリスト予想は2.65ドルとなっていた。

4-6月期の調整後1株利益は3.87ドルと、ブルームバーグが調査したアナリスト予想の3.84ドルをわずかに上回った。売上高は1.7%増えたが、アナリスト予想には届かなかった。

原題:United Refines Profit Target on Rebounding Travel Demand (2)(抜粋)

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