ブレイン・マシン・インターフェースの登場
私たちの五感を司る脳と機械を繋ぐことにより、脳の機能を強化したり、疾患を治療する技術をブレイン・マシン・インターフェース(以下BMI)という。
BMIには非侵襲式と侵襲式がある。非侵襲式はヘッドマウントギアを、頭に装着することで、頭皮を通じて脳情報を取得する方法である。
またスタンフォード大学が発表している「Brain-computer interface advance allows fast, accurate typing by people with paralysis」によれば、身体が麻痺している患者が画面上のカーソルを操作する実験では、1分あたり39個の正しい文字入力を実現しており、これは約8単語に相当する文字量である。
一方、侵襲式は頭蓋骨を切開したうえで脳に直接BMIを埋め込む方式である。非侵襲式に比べて脳情報を正確に把握することができる。
TeslaやSpaceXのCEOであるイーロン・マスク氏は2016年7月にNeuralinkを設立している。
「Neuralink Launch Event」によればNeuralinkは、侵襲式のBMIデバイス開発を進めている。Neuralinkが目指しているBMIデバイスの目的は、考えていることを口にださなくてもコンピューターに読み込むことができるシステムである。
イーロン・マスク氏によれば、パーキンソン病やアルツハイマー病などの脳に障害がある人と会話が可能となり、開発が成功すれば一般人への利用も検討されている。