(ブルームバーグ):ベッセント米財務長官は現在の米国債利回り水準を踏まえると、政府が長期債の発行を増やすのは理にかなっていないとの見方を示唆した。一方でインフレの鈍化に伴い、イールドカーブ(利回り曲線)全体が低下するだろうとの期待を示した。
ベッセント長官は30日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで長期債の発行増額について問われ、「その必要はないだろう」と回答。「それは2021年や22年にしておくべきだったことだ」と述べた。
ベッセント氏は昨年、当時のイエレン財務長官が短期債への依存を強めているとして繰り返し批判していた。選挙前の経済をてこ入れするために長期の借り入れコストを低く抑えることが、その目的だと主張していた。そのベッセント氏も財務長官になってからは、イエレン氏の国債発行戦略を継承している。
10年債利回りは現在約4.26%、2年債利回りは3.73%、1年物財務省短期証券(Tビル)金利は3.81%近辺にある。
「運転席で凍り付く」
年末までの10年債利回り水準をどう予想するか問われ、ベッセント長官は多くの要因次第だとしつつ、「インフレ率の低下に伴い、利回り曲線全体が平行してシフトダウンする可能性があると考えている」と答えた。
連邦準備制度理事会(FRB)の政策については、「当局者はハンドルを握りながら凍り付いているようだ」と表現。「2022年に国民を失望させたことから、FRBは足元ばかりを見ており」、前を向いていないことが懸念されると述べた。
同氏は「関税に起因するインフレは一切見られない」とも主張し、消費者物価に与える影響に関して、輸入関税ほど「一過性のものはない」と述べた。
パウエルFRB議長の後任選びについて、ベッセント長官は2つの選択肢を挙げた。一つは1月に空席になるFRB理事職に新しい人材を起用することと、もう一つは現職理事を議長に指名することだという。パウエル氏は議長としての任期が2026年5月、理事としての任期が28年に切れる。
「明らかに次期議長候補に検討されている現職理事はいる」とベッセント長官。具体的な名前は挙げなかった。FRBウォッチャーの間では、早ければ7月の利下げに前向きな見解を示したウォラー理事の名前が挙がっている。同理事は1期目のトランプ大統領に指名されてFRB理事に就任した。
ベッセント長官は「1月になれば、14年間の任期を持つ理事職が空席になる。従って、新しい理事が5月のパウエル議長退任に伴って議長職に就く考えも、われわれは検討した」と述べた。財務長官はFRB人事に関して大統領に助言する役割も担う。
クーグラーFRB理事は来年1月で任期を全うする。
ベッセント長官はパウエル氏の理事としての任期が「残念ながらあと2年しかない」と指摘。パウエル氏は今月の記者会見で、議長としての任期を全うした後に理事としてFRBに残るかどうかについて言明を避けた。
原題:Bessent Says Wouldn’t Lift Long-Term Bond Sales at Today’s Rates(抜粋)
(次期FRB議長選びに関するベッセント氏発言を加えます)
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