「男性と一緒は不安」「抵抗を感じる」…市民の間では賛否も

学校だけではありません。公園や公共施設でも「オールジェンダートイレ」の設置が進んでいます。
市民はどう思っているのでしょうか?
台湾市民(女性)
「私の友人にも体は男性だけど男性用のトイレに入ることに不安を感じる人がいます。そういう人々にとってオールジェンダートイレは安心できると思います」
台湾市民(男性)
「もちろん賛成です。男女は基本的に平等ですし、何事も改革をするときには段階というものがありますから」
歓迎する声がある一方、不安を口にする人もいました。
台湾市民(女性)
「私は嫌ですね。男性がいると不安になります」
「抵抗を感じる人もいますよね。だって一緒にトイレを使う人がどんな人かわからないので」
「同性婚」が認められたのは「20年にわたる教育の成果」

台湾では2019年、東アジアで初めて同性婚が認められました。台湾が多様性を認める社会になった背景には、政治のリーダーシップ、そして学校での「ジェンダー平等教育」の効果があるという指摘がされています。実際にどのような教育が行われているのか。市内の中学校を訪ねました。
先生「女の子が女の子を好きになってもいいですか?」
生徒「それは受け入れられません」
先生「女の子が女の子を好きになるのはダメですか?」
先生「彼が片思いしているのは男の子?女の子?」
生徒「男の子」
先生「じゃあどうして素直に気持ちを伝えないの?」

映像をみながら同性愛について、また社会の中で男女の役割が固定化していないかについて議論しています。
台湾では小学校から高校までジェンダー平等教育を年間8時間取り入れることが義務付けられています。さきほどの台北市教育局の黃主任は、教育の結果、台湾社会はますますジェンダー平等の概念を受け入れるようになり、性差別が減っていると強調しました。
台北市教育局 黃國忠 学務校安室主任
「私たちは22年間、ジェンダー平等教育を実施してきた経験があります。学生時代にこの教育を受けた子どもたちが大人になり、社会の雰囲気も徐々に『ひとりひとりの性的指向や結婚の選択を尊重すべきだ』と考えるようになりました。それが同性婚の成立につながったのです」
授業の感想を生徒に聞いてみると。
「私の両親やその上の世代では多くの人が「男は外で働き、女は家にいるべきだ」と考えていました。でも現代社会ではその考え方はもう通用しません。今は職場でも学校でも男女平等であるべきだと思います」(男・13歳)
「ジェンダー平等は当然のことだと感じています」(女・14歳)