5年間の変化

2019年調査(5年前)の結果も、男女とも年齢における特徴は2024年調査と同様だった。男性、特に高年齢男性ほど「1つの企業(①+③)」に勤め続けることや「管理的地位になっていく(①+②)」は高く、女性は、管理的地位となっていくことより、ある仕事の専門家となっていくことを望ましいと考えていた。

また、男女とも若年ほど「⑥長期的な働き方は希望していない」が高かった。

2019年調査から2024年調査への変化に注目すると、2019年調査は、「⑥長期的な働き方は希望していない」が、男女ともすべての年齢群で2024年調査と比べて低く、この5年間で「⑥長期的な働き方は希望していない」があらゆる層で増加していた。

反対に、この5年間で男性は「①一つの企業に長く勤め、だんだん管理的地位になっていくコース」が低下していた。

その結果、2019年調査では、男性は全年齢群で「管理的地位(計:①+②)」が「ある仕事の専門家(計:③+④)」より高かったが、2024年調査では両者は同水準となり、男性も女性と同様に「ある仕事の専門家(計:③+④)」を望ましいと考えるようになっていた。

男性で、「1つの企業(①+③)」に勤め続けることが低下していたが、「いくつかの企業(②+④)」が上昇しているわけではないことから長期にわたって働くことを希望する人々の多くは、転職を通じてスキルを高めていくことよりも、引き続き1つの企業で働き続ける姿を思い描いているようだ。

女性は、2019年には「管理的地位(①+②)」が低年齢ほど高く、若年齢者で管理的地位への関心が高かったと思われたが、2024年には若年齢も低下していた。

しかし、35歳以上で「①一つの企業に長く勤め、だんだん管理的地位になっていくコース」が男性ほど顕著には低下していなかった。

34歳以下女性の「⑥長期的な働き方は希望していない」は、2019年調査でも35歳以上女性や男性と比べて高かったが、2024年調査ほど突出していなかった。

そこで、「⑥長期的な働き方は希望していない」のみ、毎年の性別・年齢群別推移をみると、いずれも5年間にわたって、それぞれ継続的に上昇する傾向があった。

2019年からの上昇幅は、34歳以下女性が16.3ポイントで最も高く、34歳以下の女性は他層と比べて、「⑥長期的な働き方は希望していない」が上昇し続けているようだ。