(ブルームバーグ):米国はマレーシアの首都クアラルンプールで25日に行った中国との初日の通商協議を終え、「極めて建設的だった」と述べた。30日にはトランプ米大統領と中国の習近平国家主席との首脳会談が予定されており、対立緩和を目指している。
米財務省の報道官が協議について簡単な説明を行った。26日に再開する予定だと述べたが、詳細には触れていない。中国側は会合後、コメントしていない。
協議は世界第2位の高層ビル「ムルデカ118」で行われ、5時間半続いた。中国側は何立峰副首相が代表団を率い、商務省の李成鋼次官と財政省の廖岷次官が同席。米国側はベッセント財務長官が率いた。

ベッセント氏と、習氏の長年の側近である何氏は、米中が相互に講じてきた新たな対抗措置の緩和に向けた交渉に臨んでいる。両氏はまた、韓国慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて予定されている首脳会談に向けて、準備を進めている。
トランプはアジア歴訪に向かう大統領専用機内で記者団に対し、習氏とは「話し合うことはたくさんある」と述べ、双方が譲歩することになるとの見方を示した。ただ、合意が成立する可能性については言及を避けた。
トランプ氏は「中国は譲歩しなければならない。われわれもそうだろう。中国には157%の関税を課しているが、彼らにとって持続可能とは思えない。だから彼らはその引き下げを望んでおり、われわれにも彼らから得たいものがある」と語った。
トランプ氏は26日、マレーシアのアンワル首相と会談し、貿易や投資、安全保障について協議する予定だ。トランプ氏は2期目としては初めてとなるアジア訪問で、経済協定や重要鉱物に関する合意を貿易相手と締結したい考えだと、ブルームバーグ・ニュースは先に報じた。
トランプ氏は、中国が米国産大豆の購入を再開するとともに、合成麻薬フェンタニルの取り締まりを強化し、レアアース(希土類)輸出規制強化を見直すことを条件に、中国からの輸入品への高関税を一時停止する措置を延長したい考えも示している。
大統領は今月初め、中国がレアアースの管理を拡大すると表明したことに強く反発し、中国産品への異例の高関税の導入や、ホワイトハウス返り咲き後初となる習氏との対面での会談の中止まで示唆していた。
焦点となっているのは、11月10日に期限を迎える米中間の貿易休戦合意だ。米中関係は過去数カ月間、一時的な安定を保っていたが、最近になって米国が一部のハイテク分野での規制を拡大したことなどで、再び緊張が高まっている。
中国も対抗措置を講じ、レアアースやその他の重要資源の輸出規制を一段と厳格化する方針を打ち出した。さらに中国商務省は20日、北京で外国企業を集めた異例の大規模会合を開催し、今回の輸出規制が通常の貿易を制限する意図はないと説明し、企業の不安払拭に努めた。
原題:US Says China Talks ‘Very Constructive’ as Trump Jets to Asia(抜粋)
(初日の協議終了に伴い情報を更新します)
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