(ブルームバーグ):インドでは約4人に1人がメディアのコンテンツを視聴する際にスマートフォンのみを利用していることが、調査で明らかになった。多くの人にとってテレビは高価で手が届かないことが背景にあり、メディア関連各社がインドでのデジタル戦略強化に動いている。
市場調査会社カンターのメディア・コンパスがインド人8万7000人を対象に実施した調査によれば、2025年1-3月期にデジタルのみを利用したユーザーの割合は23%に上昇。23年同期の15%から拡大した。
こうしたトレンドは、低所得層や農村部のユーザーで特に男性に顕著だと、カンターの南アジア・インサイツ部門スペシャリストビジネス担当ディレクター、プニート・アバスティ氏は分析する。
同氏によれば、スマートフォンでデジタルコンテンツを現在視聴している多くの人々が、かつてはメディアの消費から取り残されていた。テレビや複数の動画配信サービスの契約コストが高いからだという。
手頃な価格のスマートフォンや月額4ドル(約590円)程度から利用できる携帯電話料金を通じてネットが急速に普及し、インドは世界有数のデジタル消費市場となった。
インドではコンテンツを視聴したり、買い物をしたりするために初めて使用したデバイスがスマートフォンだった人は多い。テレビからパソコン、スマートフォンへと人々が移行してきた先進国とは異なる。
今回の調査結果は、こうした点を裏付けるとともに、アマゾン・ドット・コムのプライム・ビデオやメタ・プラットフォームズのインスタグラムといったグローバルメディア大手にとっては、14億人余りの消費者を抱えるインドでのマーケティング戦略を精緻化する上でのヒントとなりそうだ。
原題:One in Four Indians Uses Only Phone for Content, Ditching TV (1)(抜粋)
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