20代前半の就職期流出が顕著
エリアへの転出数が転入数を上回り、転出超過(社会減)となったエリアは2024年に続き、2025年も40道府県となった。
筆者は2025年も、北は北海道から南は大分県まで、データに基づく人口減少対策の講演やセミナー(自治体や経済団体が主催)を実施したが、地元から人が出て行っていることはわかっていても、それが男女、年齢でみてどういった人が出て行っているかを理解している聴衆はわずかであった。
そこで本稿では、「地元を去り行く人口イメージをより正しく鮮明なものとする」ことを目的にデータ解説を行いたい。
2025年に総数で社会減(転出数>転入数で転出超過)となった40道府県について、男女別、5歳階級別に減少構造を確認する。
男女別の合計で計算すると、男性▲6万8121人、女性▲8万2728人で、男性の1.34倍の女性が地方創生の対象となっている社会減エリアから離れている。
コロナ禍が開始した2020年の前の10年間においてもこの「男性人口減少の3割増しで女性が減少する構造」は全く変化がない。
データから考えると、社会減エリアは引き続き、男性定着に主眼を置いたコロナ以前と変わらない従来型の人口減少対策を続行しているとみられる。
年齢階級別でみると、20代前半人口の社会減が顕著であることが一目でわかるだろう。同時に、男性よりも女性の方が大きく社会減していることも明確となっている。
20代前半人口の社会減は男性▲3万8121人、女性▲4万9258人で、男性の1.29倍の女性が40道府県から離れた。
地方での講演会において必ず、その自治体ごとの男女別、年齢階級別の社会減のグラフを作成して解説を行うが、
「これまではただ人が減ったことしか理解していなかった」
「若者が減っている、としか思っていなかった。まさか男性の3倍も就職期にうちの街から女性が減っていたなんて(東北のある自治体)」
といった驚きの声が上がってくる。
さらに、厳しい現実に目を向けることをアンコンシャスに拒否してしまう心理(正常性バイアス)からなのかもしれないが、
「これは日本人限定の数ではないなら、外国人が大半を占めているのでしょう?」
「あの自治体は外国人が多いから、外国人が出て行ったんだろう」
といった質問が出ることもある。
2025年において、移動者(日本人+外国人)が男女計で社会減となった40道府県の合計で、その日本人比率は96%に達している。誤差ともいえるが、男性では99%、女性では93%が日本人の社会減である。
