人工知能(AI)開発大手、米OpenAIでロボティクス部門の責任者を務めていたケイトリン・カリノウスキー氏が7日辞任した。同社がAIモデルを国防総省の機密ネットワークに導入することで合意したことを理由に挙げた。

カリノウスキー氏はX(旧ツイッター)に、「簡単な決断ではなかった」と投稿。「AIは国家安全保障で重要な役割を果たすが、司法の監督なしに米国民を監視することや、人間の承認なしで致死的判断を行う自律性は、本来はより慎重な議論がなされるべき一線だった」と指摘した。

OpenAIは電子メールでの発表文で、カリノウスキー氏の辞任を確認。国防総省との合意について「AIの責任ある安全保障用途に向けた実行可能な道筋を示す一方で、国内監視や自律型兵器は認めないという当社のレッドラインを明確にするものだ」との見解を示した。

「これらの問題について強い意見があることは認識しており、従業員や政府、市民社会、世界各地のコミュニティーとの対話を続けていく」と同社は説明した。

テッククランチはカリノウスキー氏の辞任を先に報じていた。

リンクトインのプロフィルによると、カリノウスキー氏はメタ・プラットフォームズで拡張現実(AR)眼鏡の開発を主導した後、2024年11月にロボティクス部門の技術スタッフとしてOpenAIに入社した。

OpenAIは2月下旬、トランプ政権とAI開発企業アンソロピックの協議が決裂したのを受け、国防総省と契約を締結。アンソロピックは、自社技術が米国民の大規模監視や完全自律型兵器に使用されないとの保証を求めていた。OpenAIは、国防総省向けサービスがアンソロピックが従来担っていた業務を代替するかどうかについては明らかにしていない。

トランプ大統領は、全ての政府機関にアンソロピックとの作業停止を命じ、国防総省は同社とその製品をサプライチェーン上のリスクに認定。これに対し、アンソロピックは裁判で争う方針を示している。同様の指定はこれまで中国の華為技術(ファーウェイ)など対抗相手の企業に限られていた。

原題:OpenAI’s Head of Robotics Resigns Over Company’s Pentagon Deal(抜粋)

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