(ブルームバーグ):米紙ワシントン・ポスト(WP)は一部記者の電子メールアカウントを狙ったサイバー攻撃を受け、調査を進めるとともにサイバーセキュリティーの強化に乗り出した。
同紙のマット・マレー編集主幹がサイバー攻撃で影響を受けた社員宛てに15日送付した文書によると、不正アクセスは12日遅くに発覚。WPは13日夜に全社員のメールアカウントのログイン情報をリセットした。
不正侵害されたのは少数の記者のアカウントで、調査のためデジタル鑑識チームが投入されたという。ブルームバーグが同文書を確認した。
最初にこの件を報じたウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は匿名の情報源を引用し、今回のハッキングに外国政府が関与していた可能性があると伝えた。
同紙によれば、標的とされたのは国家安全保障や経済政策を担当するチームの記者で、中国担当記者も含まれていた。社員らは、マイクロソフトのアカウントが侵害され、送受信したメールがアクセスされた可能性があると告げられたという。
事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにしたところでは、4月から5月にかけて、中国政府の支援を受けたハッカーがWPのITインフラの一部を繰り返し狙っていた。ただ、これが先週発覚した不正アクセスと関連しているかや、システム侵入に成功したかどうかは不明だという。
WPとマイクロソフトの担当者は16日、コメントを控えた。
在米中国大使館の劉鵬宇報道官は、中国は「あらゆる形態のサイバー攻撃にも一貫して反対し、これを取り締まってきた」とした上で、「事実に基づかない中傷的な攻撃には断固として反対する」と主張。
「サイバーセキュリティーの問題を利用して中国を中傷・誹謗(ひぼう)することや中国のハッカー脅威に関する偽情報の拡散をやめるべきだ」と述べた。
原題:Washington Post Probes Hack of Journalist Email Accounts (2)(抜粋)
--取材協力:Newley Purnell、Jake Bleiberg、Cameron Fozi.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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