海外の投資マネーが今、日本にどんどん流れ込んでいます。日本株の注目度が、海外ファンドの間で上がっているのです。

キーワードは「割安株への投資」。それを加速させているのが、約6兆円を運用する大手ファンドの「オービス・インベストメンツ」です。

オービスの世界投資ファンドは、日本株への投資比率を年初から2倍以上に増やしました。なぜ今、海外の投資家は日本株に注目しているのでしょうか。

「価値」と「価格」のギャップを見極める—企業価値は60年分析する

オービス・インベストメンツの日本法人社長、時国司氏によれば、投資の本質は「企業の価値に対して割安かどうか」を見極めることだと言います。

「割安というのは何に対して割安かを明確にする必要があります。私が考えているのは、企業の本源的価値に対して割安であるということです」と時国氏は語ります。

オービスの特徴は、企業価値を分析する際に過去60年分のデータを遡って調査する点です。なぜそこまで長期のデータを分析するのか。時国氏は「クロスサイクルで見ないと評価できない」と説明します。

「金利のサイクル、為替のサイクル、景気のサイクルなど、様々なサイクルを超えて分析する必要があります。例えば5年だけ遡ると、その5年間の環境下でしか会社の動きが見えません。将来4〜5年で何が起こるかを考えると、過去のサイクルを複数見ることが重要です」