米政府は5日、ホワイトハウスとウクライナの交渉担当者が「安全保障上の枠組み」で合意し、ロシアとの戦闘終結に向けた和平合意の一環として必要となる抑止力についても協議したと発表した。

米国は会合後の声明で、「参加者は米国とロシア側による最近の会合の結果と、この戦争終結につながり得る措置に関して議論した」とし、「米とウクライナは、安全保障の取り決めを巡る枠組みにも合意し、持続的な和平を維持するために必要な抑止力について協議した」と説明した。

ただ、前向きな文言とは異なり、交渉に新たな勢いが生まれたことを示す大きな進展の兆しはほとんど見られない。

トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏とウィトコフ特使は今週、フロリダでウクライナのウメロフ国家安全保障・国防会議書記とフナトフ軍参謀総長と協議し、和平合意の仲介を目指している。話し合いは6日に再開される見通しだ。

米政府は声明で、「双方はいかなる合意に向けた実質的な進展についても、ロシアが緊張緩和や殺害行為の停止を含む長期的な和平への真剣なコミットメントを示す用意があるかにかかっているとの認識で一致した」とも明らかにした。

クシュナー氏とウィトコフ特使は今週前半にロシアのプーチン大統領と会談。トランプ氏が戦闘終結に向けた合意を成立させるようウクライナに圧力を強める中で、今回の協議が行われた。

ウィトコフ氏とロシア側は当初、交渉のたたき台となる枠組み案を作成したが、これがウクライナに大幅な譲歩を強いるのではないかとの懸念が欧州諸国から公然と示された。

その後、米国はウクライナとの協議を踏まえ、修正版の案をロシアに提示したが、領土問題やロシア凍結資産の扱い、ウクライナへの安全の保証の範囲など主要論点は未解決とみられる。

プーチン大統領は4日、Today TVとのインタビューで、困難な作業がまだ残っており、米国案にはロシアが受け入れられない譲歩が含まれていると述べた。

原題:Ukraine-US Talks Yield ‘Framework’ But Negotiations Continue(抜粋)

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