自然食品・関連品流通会社の米ユナイテッド・ナチュラルフーズがサイバー攻撃を受け、配送に支障が出るとともにシステムが一部停止していることが分かった。同社はアマゾン・ドット・コム傘下の食品スーパー、ホールフーズ・マーケットの主要卸売業者の一つ。

ユナイテッド・ナチュラルフーズは9日、米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で、今月5日に「不正な活動」が発覚し、専門家と調査を開始したと発表した。システムの一部停止により、顧客からの注文の処理や配送業務などに影響が出ているという。

ユナイテッド・ナチュラルフーズは、冷凍食品や生鮮食品、業務用食品、ウェルネス製品など約25万点に及ぶ商品を全米53カ所の物流センターおよび倉庫を通じて供給している。昨年、ホールフーズ・マーケットの主要卸売業者として契約を締結したほか、2018年にはスーパー大手スーパーバリューを29億ドル(約4200億円)で買収している。

ホールフーズ・マーケットはコメントの要請に応じていない。

今回のユナイテッド・ナチュラルフーズへのサイバー攻撃により、グローバルな食品小売業者が密接に統合されたデジタルサプライチェーンにいかに依存しているかが改めて浮き彫りとなった。

4月には衣料や食料品小売りを手掛ける英マークス・アンド・スペンサー・グループ(M&S)などでもサイバーセキュリティーの問題が発生し、非接触型決済の一時停止や一部商品の品切れが生じた。M&Sは5月、今期の営業利益に3億ポンド(約590億円)の影響が出る見込みと発表している。

提出資料によると、ユナイテッド・ナチュラルフーズは不正な活動について法執行機関に通報したという。今回の不正な活動がM&Sなどへの攻撃と関連しているかは不明。

ユナイテッド・ナチュラルフーズはウェブサイトへの発表資料で「混乱を最小限にとどめるために」顧客やサプライヤーと緊密に連携するとし、被害の規模や影響度合いに関する調査を継続すると説明した。

原題:Amazon Whole Foods Distributor Breach Disrupts Deliveries (2)(抜粋)

--取材協力:Cameron Fozi.

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