(ブルームバーグ):フィデリティ・インベストメンツ創業家であるジョンソン一族が出資するベンチャーキャピタル(VC)ファンド、エイト・ローズは、保有する中国のテクノロジー企業への出資持ち分の売却を進めている。事情に詳しい関係者が明らかにした。米中間の地政学的緊張の激化が背景にある。
エイト・ローズは、中国のインターネット関連株への早期投資家で、テクノロジー関連企業約40社に出資しているが、今年に入り全ての持ち分の売却を模索し始めたと、事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べた。
これらの持ち分全体のピーク時評価額は約10億ドル(約1450億円)に達していたが、関係者によればピーク時の60-80%の割引水準で売却が進められている。
交渉は継続しており、条件は今後変更される可能性があるという。
売却対象には自動運転技術を手がける小馬智行(ポニー・エーアイ)も含まれているが、ロックアップ期間の制限が残っているため保有を継続中だという。
関係者によれば、米政府が1月に中国の先端技術分野への投資を制限する措置を講じたことが売りのきっかけとなった。その後に、トランプ米大統領が対中関税を引き上げ米中間の貿易摩擦は悪化した。
エイト・ローズの広報担当者はブルームバーグに対し、規制環境の変化に伴い中国テクノロジー企業への新規投資を積極的には行わないことを昨年決定したと説明。
今後は、縮小したチームが既存ポートフォリオの管理を続け、中国のヘルスケア分野に注力するという。
原題:Billionaire Johnson Family’s VC Fund to Exit China Tech Holdings(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.