(ブルームバーグ):マイケル・セイラー氏率いるストラテジー(旧マイクロストラテジー)が過去4年余りにわたって購入してきた暗号資産(仮想通貨)ビットコイン全てに含み益が出ている。ここ数日間のビットコインのミニラリーが追い風となっている。
企業向けソフトウエアメーカーのストラテジーは、2020年半ばにバランスシート上の現金をビットコインに投資し始め、これまでに約70回の購入を発表。創業者セイラー氏の下、普通株や優先株、社債を発行して購入資金を調達するようにもなった。
現在、ビットコイン58万2000枚を保有しており、その評価額は約629億ドル(約9兆円)に達する。平均取得単価は7万86ドル。
ブルームバーグが集計したデータによると、10億ドル以上をかけてビットコインを購入したのは15回に上る。しかしビットコイン価格は変動幅が大きく、一時的に含み損を抱えることも多かった。
ストラテジーは9日、2日から8日までの間に新たにビットコイン1045枚を1億1020万ドルで取得したと開示。平均取得価格は10万5426ドルだった。

米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、直近のビットコイン購入には、優先株の「ストライク(STRK)」と「ストライフ(STRF)」の発行で調達した1億1200万ドルが充てられた。
先週は、「パーペチュアル・ストライド(STRD)」と名付けた永久優先株を発行。約9億7970万ドルの調達を見込んでいる。
ビットコインを購入して保有するストラテジーの戦略は、自社株の押し上げを狙う他の企業が模倣してきた。マラ、ゲームストップ、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループなどの企業も現金を用いた暗号資産の購入計画を発表しているが、ストラテジーの成功の再現はできていない。
ストラテジーの株価は9日、4.7%高の392.12ドルで終了した。20年7月以降で3000%を超える上昇となっている。同じ期間にS&P500種株価指数は約93%、ビットコインは約1060%上昇した。
原題:Bitcoin’s Rally Means All of Strategy’s Purchases Are Profitable(抜粋)
--取材協力:Tom Contiliano.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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