(ブルームバーグ):英銀バークレイズは、今後数日以内に投資銀行部門で200人以上の人員削減を行う準備を進めている。事情に詳しい関係者が明らかにした。同部門の収益性を高めるというC・S・ベンカタクリシュナン最高経営責任者(CEO)の計画の一環だ。
匿名を希望する複数の関係者によると、この削減は投資銀行部門の全人員の3%に相当する。対象は投資銀行業務、グローバル市場部門、リサーチ部門のスタッフで、影響を受ける最上位職はマネジングディレクターだという。
ある関係者は、今回の削減は、バークレイズが重点分野への投資余力を確保するためだと述べた。同行の市場部門は、欧州の金利商品、株式デリバティブ、証券化商品取引での市場シェア拡大に力を入れている。
投資銀行業務では、株式資本市場(ECM)やM&A(合併・買収)からの収益増強を目指しており、特にヘルスケア、工業、テクノロジー、エネルギー転換などの業界に注力している。関係者は、今回の動きは特定の金融商品や資産クラスからの撤退を意味するものではないとも述べている。
バークレイズの広報は声明で「他の銀行と同様に、事業運営の一環として人材プールを定期的に見直し、重点分野への継続的な投資を確保している」と述べた。同行は約1年前にも同様の人員削減を行った。
ベンカタクリシュナン氏は昨年打ち出した新戦略で、2026年までに全社で効率化を進め、約20億ポンド(約3900億円)のコスト削減を見込んでいる。
投資銀行部門はバークレイズ最大の部門で、24年は前年比7%増の118億ポンドの収益を上げた。同社は固定収益市場を得意としているが、近年はプライム・サービスや株式部門への投資も強化している。
原題:Barclays Cuts More Than 200 Investment Bank Jobs to Reduce Costs(抜粋)
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