(ブルームバーグ):スイス政府は6日、銀行改革案を発表した。国内最大の銀行であるUBSグループに対し、最大260億ドル(約3兆7700億円)の資本積み増しを求める。同国の銀行業界を巡っては数カ月にわたり不透明性が続いていたが、投資家にとっては霧が晴れる格好になる。
今回の提案で最大の影響を及ぼすのは、外国子会社への出資金に対してスイス国内に保有すべき資本の引き上げ。UBSは現行の60%から100%に引き上げることが義務づけられる。これによりUBSはスイス国内を拠点とする中核部門で最大230億ドルの資本積み増しが必要になると、スイス政府は見積もっている。
この発表後、チューリヒ市場で取引されるUBSの株価は一時7%を超える上げとなった。
それでも、クレディ・スイスの破綻をきっかけに生まれた今回の提案は、改革の一部を阻止しようと1年余りにわたりロビー活動を続けてきたUBSのコルム・ケレハー会長とセルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)にとっては敗北だ。2人は資本積み増し要求を「極端な過剰反応」で、世界との競争で不利になり、投資家還元計画にも影響し得るとして反対を唱えてきた。
チューリヒを拠点とするフォントベル銀行のアナリスト、アンドレアス・ベンディッティ氏は「UBSの株価は競合を大きくアンダーパフォームしており、本日の提案は既に織り込み済みだった様子だ」と指摘した。
スイス政府は、危機時にUBSはいっそう強じんになるとして、今回の提案を正当化した。UBSには影響を緩和する多くの方法があり、普通株等ティア1(CET1)ベースで260億ドルという数字は、全ての新たな措置が現在のバランスシートに適用された場合の最大額だ。
また同国政府は、今回の提案ではその他Tier1債(AT1債)の資本利用を80億ドル減ることを認めており、UBSがいわゆるゴーイングコンサーン資本(銀行が業務を継続しつつ発生した損失を吸収できる資本)として必要な積み増し額は180億ドルになると説明した。
スイスのケラーズッター大統領兼財務相は「最終的に追加資本がどれだけ必要になるかは多くの要因に左右される。これらの措置にUBSがどう反応するかによる部分が大きい」と語った。

原題:UBS Faces $26 Billion Capital Demand From Swiss Bank Reforms (2)(抜粋)
--取材協力:Levin Stamm、Paula Doenecke.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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