(ブルームバーグ):トランプ米大統領と関係のある複数の暗号資産(仮想通貨)関連団体の間に亀裂の兆しが見られている。団体の一つが「トランプブランド」の新たなサービスを発表したが、同氏の息子がすぐに関与を否定して火消しする形となった。
NFTマーケットプレイスのマジックエデンは3日、トランプ氏のミームコインなどを運営するチームと提携すると発表した。トランプブランドのデジタルウォレットや取引アプリを提供するとしている。
マジックエデンの広報担当者はブルームバーグに対し、アプリの開発を進めていることを認めたが、リリースの時期については明かせないとしている。
マジックエデンの発表後、大統領の息子のドナルド・トランプ・ジュニア氏は、一族の中核企業トランプ・オーガニゼーションがこの製品に「一切関与していない」とXに投稿した。
さらに、一族の暗号資産(仮想通貨)プロジェクトの「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」が近く独自のウォレットを発表すると明かした。
トランプ氏やその家族らも関わりを持つ暗号資産の関連事業については、利益相反の懸念が高まっている。コネティカット州選出のブルーメンソル上院議員は先月、ワールド・リバティが「創設者とトランプ一族に多大な経済的利益をもたらしている」と批判。ワールド・リバティ側は批判を一蹴した。
ジャック・ラウ最高経営責任者(CEO)を含む3人のマジックエデン幹部は最近、トランプ氏や同氏のミームコインの保有者が出席する夕食会に参加したため、利益相反をめぐる論争に火がついている。
トランプ氏のミームコイン「$TRUMP」は同氏の就任数日前に発行され、時価総額は一時150億ドル(2兆1600億円)近くに達したが、その後に急落。コインマーケットキャップ・ドット・コムによると、直近の時価総額は23億1000万ドルにとどまっている。
原題:Trump Memecoin Wallet Spurs Divide Among Family’s Crypto Camps(抜粋)
--取材協力:Nathaniel Popper.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.