(ブルームバーグ):16日の東京外国為替市場の円相場は一時、1週間ぶりに1ドル=144円台に上昇した。円安是正を巡る観測に加えて、低調な米国の経済指標を受けたドル安・円高の流れが続いている。
市場では午前10時前の仲値に向けて輸出企業などの円買い・ドル売りが強まったとの指摘もある。あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、円安是正に対する懸念がドル・円相場の上値を抑える中、経済指標の弱さを受けた米金利低下や実需のドル売りが円を押し上げていると述べた。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、きょうの日本株がさえない動きとなっており、「リスクオフの円買いに見える」と話す。
朝方発表された日本の1-3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は4四半期ぶりのマイナス成長となったが、円相場への影響は限定的だった。
米国では15日発表の小売売上高の伸び鈍化や生産者物価指数(PPI)の大幅な落ち込みを受けて、年内2回の利下げ観測が強まった。上田氏は、景気減速懸念から米国の利下げ再開が予想以上に早くなる可能性を指摘する。

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